科学が全てを解決するとは思えないが、例えば2000年前に比べて多くのことが明らかになってきたのは事実だ。しかし、宗教は科学の視点からは未だ数百年は遅れているように思う。現代の常識ある大人にとって、神が6日間で世界を創ったとか、西方浄土とかいうことをまじめに信じることは、不可能でないにしてもかなり困難だ。
特に、人はなぜ苦しむのかという根源的な問いに対して、イヴが禁じられた実を食べたことが全人類の苦しみの元(楽園追放)になっているなどといわれても、正常な人は納得できないのではないか(実際には、ここまで単純な説明でないにしても)。仏教では、人間の苦しみの原因を無明(むみょう)に帰したりするが、こちらはキリスト教に比べて理知的な説明ではあるけれども、観念論的すぎるきらいがある。
一方、1980年代以降の進化学の発展で、進化心理学や認知考古学といった分野が勃興しており、これまでは宗教の領域だと思われていた人間に関する根源的な問いに科学が答える準備が整ってきている。個人的な予測では、あと20年くらいすればそういった研究成果が一般の人が参照しやすいような形に普及すると思われるが、今は研究者以外ではごく一部の好事家の興味の対象となっているだけであり、これは非常にもったいないことだ。
そこで、私自身は研究者でもなんでもなく、そういう好事家の一人にすぎないけれども、そういった科学的成果をつまみ食いで編集し、進化心理学などに興味のない人にもわかりやすくまとめてみたい。特に、現代の生活に疲れているひと、人間関係に悩んでいる人、宗教に救いを求める人に対して、このような考え方もできるんだ、という視点に気づいていただき、少しでもお役に立てればと思っている。
そのため、単に研究成果をまとめるということではなく、あえて「人はなぜ苦しむのか」というテーマを立て、「反宗教」の旗印をつけたブログにすることにした。こういうバカなマネは、研究者には無理で、単なる一好事家だからできることであろう。
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